
世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2026年版」によれば、重要度の首位に「地経学上の対立」が挙げられています。国家の安全保障は外交・防衛にとどまらず、経済・情報分野を重視する地経学的概念へと拡大してきました。グローバルな経済社会情勢の変化は、AI(人工知能)などの革新的な先端技術の進化と実装、その表裏一体である軍民デュアルユースの比重拡大、さらには経済・情報自体を国家戦略とする大国の露骨な姿勢が背景にあります。
2026年は米国によるベネズエラ攻撃と大統領拘束から始まりました。20年に起きた感染症パンデミック、22年2月から続くロシアのウクライナ侵略、23年10月のイスラエルにおけるテロを発端とした中東紛争など、国際秩序の急激な変化と混乱は「武器化する経済」とも言われる当事国の経済的威圧によって、さまざまなサプライチェーンへの負の影響をもたらしています。
また、予断を許さない東アジア情勢や高市政権が掲げる「日本列島を強く豊かに」する政策、新たな「モンロー主義」を唱える米国のトランプ政権の動向などを見極める必要があり、本年はこれまで以上に経済安全保障の重要度が増すことは間違いありません。
わが国では22年5月に経済安全保障推進法が成立し、24年5月の重要経済安保情報保護活用法に基づくセキュリティ・クリアランス制度の導入準備が進む中、今国会では経済安保推進法について施行後3年を経て新たな状況に対応すべく大幅な改正案提出も予定されています。また、高市政権の目玉政策の成長戦略も17の戦略分野で経済安保と一体的に取り組まれ、「自律性」と「不可欠性」を踏まえた「危機管理投資」を目指して官民連携して策定されようとしています。
第4回となる本催事「エコノセック・ジャパン」では、最新の情報発信と今後想定される事案への多角的な対処を企図するカンファレンスおよび展示会等の定期的な開催を通じ、産業各界に対する意識啓発と経営戦略における対策検討の促進を図ります。併せて、政府の協力も得て、経済安全保障政策とビジネスの結節点として、官民の連携を促すとともに、主に企業経営層のための多様な企業による情報交換・交流の機会を創出する場を目指し、わが国産業各界の国際競争力に資する社会環境の醸成に寄与することを目的とします。